全世界の株式に分散投資を始めたいけど、一体何に投資すればいいんだろう?
とお考えの方や、
全世界株式インデックスファンドって色々あるけど何が違うんだろう?
と思っている方に読んでいただきたい記事です。
前回の記事で、日本株だけに偏って投資をすることの注意点についてご紹介いたしました。
一般的に全世界の株式に幅広く投資する方がリスクの分散ができるので、リスクを低減でき、
また将来、どこの国のどの分野のどの企業が今後成長していくか、なかなか予測できないので、
幅広く投資する方が取りこぼしが少なくなります。
ですが、個人で各国の個別株をまんべんなく購入しようとすると、
膨大なお金が必要になるため、現実的ではありません、、、
では、どうすればいいか、
それは全世界株式の成長に連動する全世界株式インデックスファンドへ投資することです。
多くの全世界株式インデックスファンドは、代表的な指数(インデックス)である、
MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexのいずれかに連動した値動きを目指します。
今回は、MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexの違いと、
それに連動するインデックスファンドについてご紹介します。
- 時価総額のカバー率は「FTSE Global All Cap Index」の方が高い
- ただ、どちらを選んでも運用成績にそこまで大きな差はなさそう
- パフォーマンスが変わらないならコストが安いものを選ぼう
メジャーな全世界株式インデックスファンドはどちらに連動するか
一口に全世界株式インデックスファンドといっても、
それぞれ連動する指数(インデックス)の違いや、日本株が含まれているかどうか、
など少しずつ異なります。
メジャーな全世界株式の投資信託やETFをどちらに連動しているかで分類すると、
以下のようになります。
MSCI ACWI(All Country World Index) | FTSE Global All Cap Index | |
ETF | ACWI(iShares MSCI ACWI) | VT(Vanguard Total World Stock Index fund) |
投資信託 | たわらノーロード 全世界株式 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | SBI・全世界株式インデックス・ファンド 楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
また、MSCI ACWIには、「MSCI ACWI ex Japan Index」という
全世界を対象にした指数であるMSCI ACWIから日本を除いた指数もあり、
以下の投資信託は「MSCI ACWI ex Japan Index」と連動しているので注意が必要です。
MSCI ACWI ex Japan Index | |
投資信託 | 野村つみたて外国株投信 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) eMAXIS 全世界株式インデックス |
ただ、MSCI ACWIのうち、日本株の占める割合は約6%程度ですので大きな差ではないです。
どうしても日本株には投資したくないとか、別で管理したいとかのこだわりがなければ、
MSCI ACWIに連動する金融商品でいいかと思います。
MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexの違い
次に、MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexではどのような違いがあるのか比較してみると、
MSCI ACWI(All Country World Index) | FTSE Global All Cap Index | |
公表元 | MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)社 | FTSE Russell(フッツィー・ラッセル)社 |
投資対象国 | 50カ国 | 49カ国 |
構成銘柄数 | 2,964 | 9,122 |
時価総額カバー率 | 85% | 98% |
MSCI ACWIは全世界の大型株、中型株のみ、
FTSE Global All Cap Indexは大型株、中型株に加え、小型株も網羅しているため、
構成銘柄数、時価総額で見たカバー率はFTSE Global All Cap Indexの方が上回っています。
過去5年間のリターン推移
では、構成銘柄数の違いによって、リターンに差が生まれるのか、
それぞれのパフォーマンスをみていきましょう。
下の表は2015年以降のそれぞれの年次リターンの比較です。
MSCI ACWI | FTSE Global All Cap Index | |
2020年 | 16.82% | 16.8% |
2019年 | 27.30% | 27.1% |
2018年 | -8.93% | -9.6% |
2017年 | 24.62% | 24.4% |
2016年 | 8.48% | 9.0% |
勝ったり負けたりで、どちらかが圧倒的にパフォーマンスがいいということはなさそうです。
パフォーマンスが変わらないなら経費が安い方がいい
インデックスのパフォーマンスが変わらなければ、後は連動する金融商品の
運用に関わるコストを抑えられる方がよりパフォーマンスが良くなります。
ETFで比較してみると、
経費率 | |
ACWI(iShares MSCI ACWI) | 0.32% |
VT(Vanguard Total World Stock Index fund) | 0.08% |
VTの方が圧倒的に安いですね、人気の理由が伺えます。
次に投資信託で比較してみると、
信託報酬(税込) | |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.1320% |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144%以内 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1102% |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.2120% |
現時点ではSBI・全世界株式とeMAXIS Slim 全世界株式のコストが安いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
調べてみた結果、MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexにそこまで大きな差は無いので、
どちらに連動する金融商品を買うかはお好みで良さそうですね。
ETFで言えば、経費を抑えられるVT一択かと思いますが、
投資信託で言えば現時点ではSBI・全世界株式とeMAXIS Slim 全世界株式、
その中で、小型株も含めなるべく幅広く投資したいなら、FTSE Global All Cap Index連動の
SBI・全世界株式インデックス・ファンドの方が候補になるかと思います。
皆さんもぜひ、ご自分の好みにあったインデックスファンドを選びましょう!
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