高配当銘柄として人気のアメリカ通信大手のAT&T(ティッカー:T)が
5月17日に、傘下のWarnerMediaをスピンオフし、
世界最大のドキュメンタリーチャンネルを手がけるDiscoveryと統合し、
2023年までに新会社を設立することを発表しました。
私自身、資産運用において年間配当金額の積み増しを目標設定しているので、
高配当銘柄であるAT&Tは主要な銘柄として保有しております。
このニュースの発表直後は株価は4%を超える大幅上昇していたので、
きっと良いニュースなんだろうとあまり詳細を確認せず、安心して眠りについたのですが、
朝起きてどれくらい上がったかな〜とウキウキしてみたら、
まさかの前日比マイナス、、、笑
どうやらスピンオフ後の減配の可能性が示唆されたことで株価が下落したようで、
翌日からも下落傾向が続き、ついには含み損状態に陥ってしまいました、、、
そこで、今回はAT&Tが発表したスピンオフのプレスリリースを確認し、
今後、AT&Tの配当金がどうなるのか確認していきたいと思います。
スピンオフの概要
まずは今回のスピンオフの概要からみていきましょう。
AT&T Investor Presentation 5/17/2021
上の図にあるように、
AT&Tは傘下のWarnerMediaを分離し、Discoveryと統合、
これによりAT&Tは現金、負債証券などの組み合わせで430億ドルを受け取り、
AT&Tの株主は新会社の71%の株式を取得し、
Discoveryの株主は残りの29%を取得することになります。
また新会社はDisneyに次ぐ世界第2位のメディア企業になるとのこと。
AT&Tの株主にとってのメリット
では、AT&Tの株主にとって今回のスピンオフのメリットは何があるのでしょうか?
プレスリリースの内容をまとめると以下のようなメリットが浮かんできます。
- 世界第2位のメディア企業の株を保有できることで将来的なキャピタルゲインが期待できる。
- AT&Tが本業の成長分野である5Gや光ファイバー通信網への投資に集中でき売上の成長が見込める。
- 430億ドルの受け取りにより負債が減り、自社株買いの可能性も。
なんだか良いことずくめって感じですよね。笑
発表後に株価が上昇したのも頷けます。
スピンオフ後の減配の可能性
では、なぜ株価が下落したのか?
その理由はスピンオフ後の配当方針についての記述にありました。
AT&T Investor Presentation 5/17/2021
「スピンオフ後の配当性向は200億ドル以上の予想キャッシュフローに対して、40%〜43%を目標」と記載されています。
これを元に配当金額をざっくりですが計算してみると、
200億ドル×41.5%(40〜43%の中間値)=83億ドル
発行株式数が71.4億なので一株あたりの年間配当は1.16ドルになります。
現在の年間配当が2.08ドルなので約44%ほど配当減となります、、、
Attractive Dividend(魅力的な配当金)って書いてるけど、全然やん、、、笑
また、Focused Total Return Strategy(トータルリターンに集中した戦略)
とも記載されており、これまでの高配当による株主への還元ではなく、
先ほど挙げたメリットのようなキャピタルゲインも合わせた、
トータルリターンで還元する戦略に変えていくようですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高配当投資の観点から見れば、配当金が減るのは喜ばしくはないですが、
ある程度の配当金を維持しつつ、将来の成長が見込めるようであれば悪くない気がします。
あと、スピンオフを経験したことがないので単純に興味があるので、
個人的には継続保有しようかと考えています。
ただ、米国株で利用しているSBI証券の場合、
A株がB社をスピンオフ、とのコーポレートアクションを発表した段階で、A社もB社株も一般口座に払い出されます。また、A社株、B社株ともに単価調整は行われず取得単価はA社株で特定預かりの際に購入した際の取得単価を、「参考単価」として表示します。
SBI証券HP
AT&Tの株も新会社の株も一般口座に移されてしまうので、それがめんどくさそうです、、、
まあ、スピンオフは2022年中頃を予定しているようなので、
もう少し様子を見てみようと思います。
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