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「4〜6月は残業しない方がいい?」社会保険料の仕組みと意外な落とし穴

「4〜6月は残業しない方がいい?」社会保険料の仕組みと意外な落とし穴 ライフハック

4、5、6月の給与が増えると社会保険料が上がって手取りが減るって聞くけど、本当?

とお考えの方や、

社会保険料を上げないために、3、4、5月の間はなるべく残業しない方がいいのかな、、、

とお思いの方に読んでいただきたい記事です。


私自身、そういった話を聞き、それまであまり意識していなかったのですが、

実際に4〜6月の給与に反映される3〜5月の期間、なるべく残業をしないことで、

どれくらい社会保険料が抑えられるか試してみました。


今回は社会保険料の決定の仕組みと、

私が実際に陥った失敗からその注意点についてご紹介と思います。

社会保険料は標準報酬月額で決まる

社会保険料とは会社員の場合、

  1. 健康保険料(40歳以上は介護保険料を含む)
  2. 厚生年金保険料
  3. 雇用保険料

の3つあり、それぞれ毎月の給与から天引きされ、

給与明細の控除の項目に金額が記載されているかと思います。


このうち、雇用保険料のみ「賃金総額」で算出されます。

雇用保険料は業種によりますが、労働者個人の負担は0.3%程度なので、

そこまで大きな負担ではないと思います。


ですが、給与明細を見ると、

健康保険料と雇用年金保険料はそれなりに大きな金額になってますよね、、、


で、この二つの社会保険料の金額は何で決まっているかというと、

健康保険料と雇用年金保険料は「標準報酬月額」というもので算出されます。

標準報酬月額とは

社会保険料を計算するために月額の報酬額(基本給、住宅手当、通勤手当、残業手当等含む)に応じていくつかの等級に区分されたもの

雇用年金保険料は32等級、健康保険料は50等級あり、

雇用年金保険料は以下の表のようになっています。

*健康保険料はそれぞれの健康保険協会や健康保険組合によって違うのでご自身の所属する協会・組合で確認しましょう。

例えば、報酬月額が33万〜35万円の間であった場合、

標準報酬月額は21等級、340,000円となり、月々の厚生年金保険料は31,110円となります。

でも、毎月の給与は残業が多い月、少ない月でバラバラだったりするのにどうやって報酬月額は決まっているんだろう?

って思いませんか?


次に報酬月額がいつ決まるのかみていきましょう。

定時決定(4、5、6月の報酬で決まる)

会社員の場合、毎年7月1日に前3カ月間(4、5、6月)に受けた報酬の平均額で決定し直し、

決定し直された標準報酬月額は、9月から翌年8月までの1年間適用されます。

これを定時決定といいます。


報酬には残業手当等も含まれますが、残業手当は前月の残業に対して支給されるので、

3、4、5月に普段より残業が多くなると、4、5、6月の報酬が上がり、

その後の1年間の社会保険料がアップしてしまいます。


「4〜6月は残業しない方がいい」と言われるのはこれが理由です。


では、逆に3〜5月の間、なるべく残業をしなければ社会保険料が抑えられ、

手取りが増えるのではと思い、実際にやってみたところ、

2020年4〜9月2020年10月
標準報酬月額360,000円340,000円
厚生年金保険料32,940円31,110円

社会保険料が翌月控除になっているので10月から変更になっています。

1等級下がったことにより、厚生年金保険料が年間21,960円下がりました。

微々たる金額ですが手取りが少し増えたことに喜んでいたのですが、

意外な落とし穴がありました。

臨時改定(固定的賃金が変動した時)

3、4、5月の間、残業を抑えていましたが、その後、仕事が忙しくなったこともあり、

残業が多くなっていました。

でも、一度決まった標準報酬月額は1年間適用されるので大丈夫だろうと思っていたのですが、

11月の給与明細を見てびっくり、標準報酬月額が上がってるではないですか。

2020年10月2020年11月
標準報酬月額340,000円380,000円
厚生年金保険料31,110円34,770円

2等級上がり、残業を抑えていた意味が全くなかった結果に、、、笑


なぜだろうと調べてみると、

標準報酬月額の見直しには、昇(降)給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わった場合、

定時決定を待たずに改定する「随時改定」が行われることがわかりました。


随時改定が行われるのには主に以下の2つの要件があります。

随時改定の要件

①昇給または降給等により固定的賃金に変動があった。

②変動月からの3カ月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。


私の会社では7月に昇給があり、私も3,000円ほど昇給していました。

3,000円程度では2等級も変わることがないのですが、

7月からの3カ月間、いつもより残業したことによって、2等級以上の差が生まれ、

随時改定が行われたようです、、、


ちなみに固定的賃金は、

固定的賃金

給料、役職手当、家族手当、住宅手当、通勤手当、単身赴任手当、その他

といった毎月継続して一定額支給される報酬のことなので、

新たに手当が支給、増額された場合も随時改定の対象になる場合があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

4、5、6月の報酬を抑えることで、社会保険料を抑えることができることがわかりました。

しかし、私の場合、7月昇給に伴い、随時改定となる場合もあることを考えると、

あまりセコイこと考えずに素直に残業代をもらっていた方がいいなと感じました。


それに、標準報酬月額は遺族厚生年金、出産手当金や育児休業手当金、

傷病手当金などの算出にも使用されるので必ずしも低い方がいいとは限りません。


ただ、いろいろ実践したことで、社会保険料の仕組みについて学ぶことができたので良かったです。

皆さんも、ぜひ一度、ご自身の給与明細を確認し、社会保険料を意識してみましょう!

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