自分の資産運用利回り成績は実際どうなんだろう?
これまでも毎月運用実績は記録してきており、評価損益や配当利回りの計算をしてきましたが、
運用利回りは計算したことがありませんでした。
他と比べて自身の投資パフォーマンスはどうなのか比較してみたくなったので、
一般的な計算方法を調べ、実際に計算してみることにしました。
この記事では計算方法として一般的な「ディーツ法」と「修正ディーツ法」を用いて
運用利回りを計算する方法についてご紹介いたします。
リターン計算方法「ディーツ法」と「修正ディーツ法」
まずはどういった計算方法がいいのか調べてみると、
グローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)という世界共通の基準があることがわかりました。
GIPSではリターンは、
「時間加重収益率の考え方を取り入れた方法で計算しなければならない」とあります。
時間加重収益率
時間加重収益率とは、
評価期間における資金の出入りによる影響を取り除いて算出する計算方法です。
時間収益率の計算方法の中で一番正確な計算方法は日次厳密法と呼ばれ、
外部キャッシュフローが発生した日ごとに収益率を算定し、それを掛け合わせて求めます。
外部キャッシュフローとはポートフォリオの外部からの入出金のことなので、
個人の場合、投資資金としての入金や運用資産を取り崩す場合の出金がそれにあたり、
ポートフォリオから発生した各種インカムは外部キャッシュフローに含まれません。
ただ厳密法では、追加入金や逆に出金をする度に計算し直さないといけないので、
必要となるデータと計算量が膨大になり、正直、計算するのが大変です、、、
そのため計算方法のガイダンスでは、近似法を使用しても良いとあります。
時間加重収益率を計算することは容易ではなく、コストがかかることが考えられる。こうした理由から、会社は、個別ポートフォリオの期間および部分期間のトータル・リターンを計算するために近似法を使用してもよい。最も一般的な近似法は、部分期間について特定のリターン計算方法(例えば、オリジナル・ディーツ法、修正ディーツ法、オリジナルIRR(内部収益率)法、修正BAI(Bank Administration Institute法))を適用し、部分期間リターンを幾何的にリンクすることである。
ガイダンス・ステートメント:計算方法
そこで、次から「ディーツ法」と「修正ディーツ法」の計算方法をみていきたいと思います。
ディーツ法(Simple Dietz method)
ディーツ法はディーツ簡便法やオリジナル・ディーツ法など色々呼び名はあるようですが、
修正ディーツ法の元となった計算方法のようです。
ディーツ法では、キャッシュフローが発生するごとに計算するのは大変なので、
全てのキャッシュフローが期間の真ん中で発生したことにして計算する方法です。
以下の例を用いて実際に月次リターンを計算してみましょう。
期末評価額=160万円、期初評価額=100万円、期中のキャッシュフロー=30万円
月次リターン=(160万円-100万円-30万円)/(100万円+15万円)=約26.0%
計算式がシンプルなので簡単ですし、いつ入出金があったか記録する必要がないので楽チンです。
修正ディーツ法(Modified Dietz Method)
ディーツ法が全てのキャッシュフローを期中の真ん中で発生したことにして計算するのに対し、
修正ディーツ法は、個々のキャッシュフローを
ポートフォリオに帰属していた時間の長さに応じて加重して計算します。
ディーツ法がざっくりしすぎてるので、もう少しちゃんと計算しましょうって感じですかね。
先ほどと同じ例で計算してみましょう。
計算が違う部分はΣの部分なのでそこを計算すると、
(10万円×19日/30日)+(20万円×9日/30日)=約12.3万円
月次リターン=(160万円-100万円-30万円)/(100万円+12.3万円)=約26.7%
入金回数や評価期間が少なかったので、ディーツ法の計算結果とあまり変わりませんでした。
ただ、個人の年間リターンをそれぞれ計算してみると、1%近い差が生まれたので、
それなりに長い期間で計算するときは修正ディーツ法で計算する方が良いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は一般的に使用されている運用利回りの計算方法についてみていきました。
なるべく近い計算方法で測定することで他とのパフォーマンスの比較ができますし、
目標とするリターン通りに運用できているか、定期的に確認が取れるようになります。
個人的には今後、月次リターンはディーツ法、年間リターンは修正ディーツ法で測定し、
自分の投資パフォーマンスを確認していきたいと思います!
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